日本一幸せな男である |
2002.05 相馬・伸光 アメリカーナマグナム |
全国に僅か2店。アメリカーナマグナム。ユニバーサル販売3号機。悲運の名機。B,R,SINが 複雑に絡み合う秀逸なゲーム性を持ちながら、そのマイルドな出玉曲線は、「爆裂」のみが求められた 当時の時代に受け入れられず静かに去った。まさに今、爆裂機全盛期―――なれば打つ、この台こそ・・・ アメリカーナマグナム ボーナス確率(設定1)BIG:1/468 REG:1/158 SIN:1/52 GW恒例でありながら2名での催行となった。しかしそんなことはどうでもいい。 ここに来るのも4回目・・・今回はチーム東北(レトロット、おばさん、10番台のゴリ、ハイサイ)が 合流して「鉄砲」を堪能するという。いいのか?本当にいいのか―――?時代に逆行するのが幸せか―――? 設置は30台ほど 午後2時迄は我々二人のみで競演が繰り広げられた 貸し切る事が可能だ――― 相馬は遠い。福島とは言いながら目前に迫る宮城。常磐道も遥か手前で尻切れトンボ。 しかしテーマは「終日勝負」。投資が嵩もうが構わない、これが最後かもしれぬのだから。 早朝5時過ぎに到着。仮眠。眠れぬ。8時には気もそぞろ。辺りを歩いた。微かな雨、人気のない通り、 記憶では9時開店だった―――やっている。ならば打つ。その為に来た。いくらでも打つ。 中段BARテンパイ。全ての可能性を秘めるものの殆どはSIN、それゆえに右で否定した衝撃は。 「青リンゴ・プラム・7」からの右上がりは息を飲む美しさ。揃わなくても変わる事はない――― 単チェリーからの右下がり7テンパイはBR確定。右リールの振分けに全てを託す。フラグ判別は粋じゃない。 この台で気になると言えば「初BIGをいつ引ける」のか?という事 そこまでに至るパターンの嵐 5分しないうちに出現するパターン。SIN。バケを挟んでSIN12発。鉄板目の波。これ以上の至福など存在せぬ。 「思っていたより早かった」BIGは9:58に訪れた―――絶叫、脳裏をよぎるのは過去の記憶であり ことさらに騒ぎたてるのは「失う事に対する恐怖」を和らげる為にほかならず・・・ 渋滞等もあり到着したのは14時過ぎの東北チーム。愉しみ方は人それぞれであるのだ。 おばさん(左)は劇的な引きを披露し、10番台のゴリ(右)は気付くと箱まで伸びた。 東北のエース、レトロット。逝きっぷりは「北の巨星」と言われ他の追従を許さない 男の中の男。 懸命に回すのは、回せば回すだけパターンが出現するからであり、また一つでもパターンを拝みたいが為。 損得で言っているのでは当然無くって 必要以上に愉しむのは、愉しめない人の分まで愉しむ必要があるからであり 努力しても来ることが叶わない人の思いも込めて愉しんでいるからであり いつかこの台を失った時に思い出すため 後悔しないため 胸に焼き付けるため 心に刻みこんでおくため これほどBIGを引いたのは現役時代も稀だった。おそらく1/300程度で引けていた。 結果は 12時間の勝負 BIG BONUS 15回 REG BONUS 34回 SIN BONUS 88回 ―――137回目撃したパターンは、全て脳裏に残ったわけではないけれど 来たくて来れなかった人の気持ち この店の存在すら知らないけれど打ちたい人の気持ち そういえばそんな台があったなと もっと打っておけば良かったと そんな人達の気持ち そんな人のためにも引きたかった 引き続けたかった もっともっと引き続けたかった 打ち続けたかった――― ルー・ゲーリッグ(NYヤンキース)は「私は地球上で最も幸せな男である」と言ったという ならば言う この台を打てた私は「日本で最も幸せな男」だと。私にとっては、それだけの価値がある――― そうでない人にとっては、取るに足らない事に過ぎないが。 |