〜時空を越えた名機〜



Act1
ウィンクル(高砂電器)
スーパーセブン(大東音響)

スベリとビタ止まり
両者に共通する物は


 昭和63年。液晶でラオウを倒している若人が、小学生にもなっていない時代である。
2つの相反するリール制御を持つ台がデビューする。ただリールの制御だけで全てを
表現する台でありながら、その深いゲーム性は多くの打ち手を魅了してやまなかった。


 スーパーセブン。ゲーム性は、「スベリ」これだけだ。左リールにスベリが発生すれば小役、
もしくはボーナス。左の位置によってはスベリが発生しないが、その場合は中リールが凄まじい
勢いで滑る。小役がノーテンであればベルorボーナス確定だ。しかし、取りこぼしが多々発生する
レモンの場合もあり、またそれが絶妙な確率で絡み合う。スベリが発生し、ボーナスが揃わない
場合はベルorレモン。ベルであれば小役の集中(60Gの間、8枚小役の確率が大幅にUP)であるため、
数ゲームの緊張感は絶大であった。


 片やウィンクル。ボーナスや小役の配分がスーパーセブンと似通って(実際に兄弟機である)おり、
レモンの代りにシングルボーナスが搭載されている。しかし通常時にリールが普通に滑る。
ところがだ、テンパイを狙うとズルズルと滑り逃げて行くのだ。何故か。ビタ止まりでテンパイした
プレーにおいて、ボーナスが揃うのである。これは逆転の発想というほかない。
打ち手の感覚だけが頼りのリールの制御であるが為に、勘違いや見間違いも多いのだが、それゆえに
期待感は持続する。常に胸膨らます事が出来るわけだ。


 滑りとビタ止まり。相反する両者に共通するのは「片時もリールから目を離せない」ことだ。
逆に言えば「毎ゲームボーナスの期待感が持てる」これが一番重要な点ではなかったか。

 確かに液晶画面等における演出は練り込まれておる物も多く、ゲーム性が飛躍的に高まったと
捉える向きも少なくない。それゆえにリールに目を向ける事が少なくなっているのではないか。

 演出が起きなければリールなど見る必要もない、リールは小役を取りこぼさないが為だけの存在になっている。
これでは悲しすぎるではないか。パチスロとは、「己でリールを回し己の手で止める」のが本分である。

 リール制御で勝負する台が出ても良いだろう。たまには「大人の台」も悪くない。









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